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誤差の配分問題04 [誤差の配分問題]

 誤差の配分問題の復習です。今回は、【例題1】均等法、【例題2】コンパス法、【例題3】トランシット法の3問題を列挙した上で、最後に、3問題の解答を示すこととしました。


【例題1】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、次の表1のとおりとなった。既知データー1に基づいて角の補正を行い、座標の閉合差を均等法によって調整し、B・C・Pの座標値を求めよ。

表1
器 後 測
械 視 点  観測角    距離
A K B 181゜48′46″10.980
B A C 266゜33′53″11.050
C B D 072゜38′07″19.930
C B P 024゜51′09″09.700
D C L 184゜02′10″******


既知データー1:♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯

A→Kの方向角は、北を0゜として右回りに347゜47′48″
D→Lの方向角は、北を0゜として右回りに152゜51′08″

*       x座標      y座標
A   -549.287  -850.961
D   -579.765  -849.403
♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯

(注意)
(1)すべて座標値は下4桁を四捨五入して、下3桁まで求めるものとする。また、Bの下4桁を四捨五入した座標値により、Cの座標値を求めること。また、B・Cの下4桁を四捨五入した座標値により、Cの座標値を求めること。
(2)角の補正を行い座標の閉合差を調整したB・Cの座標値(下4桁を四捨五入済み)を使用して、C→Bの方向角を求め、これに∠BCPの角度を加算することによってC→Pの方向角を求め、これを使ってPの座標値を求めること。

(2)観測角はすべて右回りの角である。計算により1秒以下の端数が出た場合、四捨五入しないでそのまま使用すること。
(3)閉合差の制限は考慮しない。
(4)メモリーの使用を指定します。角の補正も行わず座標の閉合差も調整していないA・B・C・Dの座標値をそれぞれa・b・c・dメモリーに入れます。角の補正値をmメモリーに入れます。座標値の均等法による補正値をeメモリーに入れます。(通常、補正値のような重要データーは、mメモリーには入れませんが、この一連の問題では、メモリーが不足しますので、使用することとしました。)


図1
*K

*  A


*      B

*C
*      P



*         D

*          L



【例題2】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、次の表1のとおりとなった。既知データー1に基づいて角の補正を行い、座標の閉合差をコンパス法によって調整し、B・C・Pの座標値を求めよ。
 表1・既知データー1・(注意)については、【例題1】と基本的には同じである。但し違う所は、次の①②③のみであり、これ以外は全く同じである。(図1は全く同じである。)
①表1の「C B P 024゜51′09″」の部分が、「C B P 024゜53′10″」となっている。
②既知データー1のD点の座標値が
*       x座標      y座標
D   -579.781  -849.379
となっている。
③(注意)の(4)の相違点は次のようになっている。(他は同じ。)
(4)「座標値の均等法による補正値をeメモリーに入れます。」としていたところを「座標値のコンパス法による補正値をeメモリーに入れます。」となっている。



【例題3】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、次の表1のとおりとなった。既知データー1に基づいて角の補正を行い、座標の閉合差をトランシット法によって調整し、B・C・Pの座標値を求めよ。
 表1・既知データー1・(注意)については、【例題1】と基本的には同じである。但し違う所は、次の①②③のみであり、これ以外は全く同じである。(図1は全く同じである。)
①表1の「C B P 024゜51′09″」の部分が、「C B P 024゜54′03″」となっている。
②既知データー1のD点の座標値が
*       x座標      y座標
D   -579.800  -849.368
となっている。
③(注意)の(4)の相違点は次のようになっている。(他は同じ。)
(4)「座標値の均等法による補正値をeメモリーに入れます。」としていたところを「トランシット法によるX座標値の補正値をxメモリーに入れます。トランシット法によるY座標値の補正値をyメモリーに入れます。」となっている。





《解答》

 模式的に描いてみると下図のような関係にあります。Pは枝に相当しますので、ここでは省略します。

図2

┃  ↑既知方向角
A(既知点)





D(既知点)
┃  ↓既知方向角


 そして、表1に加筆します。

表1(加筆有り)
器 後 測
械 視 点  観測角    距離 修正前方向角 角補 均補 コンパス トラX トラY
A K B 181゜48′46″10.980 169゜36′34″+1m 1e  10.980f 10.800x 01.980y
B A C 266゜33′53″11.050 256゜10′27″+2m 2e  22.030f 13.440x 12.710y
C B D 072゜38′07″19.930 148゜48′34″+3m 3e  41.960f 30.490x 23.030y
C B P (指定の数値)09.700 ************ 
D C L 184゜02′10″****** 152゜50′44″+4m

角補…角の補正
均補…均等法による座標値の補正
コンパス…コンパス法による座標値の補正
トラX…コンパス法によるX座標値の補正
トラY…コンパス法によるY座標値の補正


(解説)
 電卓のFixモードの設定は、「SHIFT」→「MODE」→「6:Fix」→「3」キーを押しておきます。
 まず、問題に与えられたAの座標値をaメモリーに入れます。
 次に、表1(加筆有り)のように、方向角を計算して、表の右側に書き込みます。この方向角は、修正前の方向角です。一度検算もしましょう。電卓画面にD→Lの仮の方向角が表示されている時に、D→Lの既知の方向角を引き算して(-1)を掛け4(=角の観測回数)で割ります。
(152゜50′44″-152゜51′08″)×(-1)÷4=0゜0′6″→mメモリーに入れます。
この場合、「修正前」-「既知」としたので×(-1)としましたが、逆に引けばそのような手間は不要です。しかし、「修正前」の数値が電卓画面に先に出てくることが多いので、以下の解説でもこのような方式でします。
修正前のB=既知のA+10.980∠(169゜36′34″+1m)
=-560.087-848.981i 下4桁が四捨五入し易い数値かどうか確認し、→bに入れます。
修正前のC=修正前のB+11.050∠(256゜10′27″+2m)
=-562.727-859.711i 下4桁が四捨五入し易い数値かどうか確認し、→cに入れます。
修正前のD=修正前のC+19.930∠(148゜48′34″+3m)
=-579.777-849.391i 下4桁が四捨五入し易い数値かどうか確認し、→dに入れます。
 電卓内部検算を行いましょう。



【例題1】の場合
表1(加筆有り)のように、eの文字を書き入れます。

(修正前のD-既知のD)×(-1)÷3(←測量の区間の数)=0.004-0.004i →eメモリーに入れます。
既知のDは、いちいち手入力するしかありません。(既知のDは、例題1・2・3でそれぞれ異なることに注意)
「何のため念のため検算」を行います。つまり、
修正前のD+3e=既知のD

修正後のB=修正前のB+1e
修正後のC=修正前のC+2e



【例題2】の場合
表1(加筆有り)のように、累計距離を計算した上でfの文字を書き入れます。

(修正前のD-既知のD)×(-1)÷41.960(←測量の区間の累計距離)=0.000-0.000i →fメモリーに入れます。
1メートルあたりの誤差が小さすぎて、0.000などと表示されていますが、数値は完全にゼロではありません。
「何のため念のため検算」を行います。つまり、
修正前のD+41.960f=既知のD

修正後のB=修正前のB+10.980f
修正後のC=修正前のC+22.030f



【例題3】の場合
表1(加筆有り)のように、X・Y座標値の変位の絶対値の累計距離を計算した上でx・yの文字を書き入れます。
計算にあたっては、
修正前のB-既知のA =-10.800+01.980i 
修正前のC-修正前のB=-02.640-10.730i 
修正前のD-修正前のC=-17.050+10.320i 
これを紙に書いて計算した方が、下手に「アンス・コンジャ法」を使うより速いかもしれません。

(修正前のD-既知のD)×(-1)=-0.023+0.023i これを紙に書きます。
-0.023÷30.490(←Xの変位の絶対値の累計距離)=-0.001 →xメモリーに入れます。
+0.023i (←必ずi を付ける)÷23.030(←Yの変位の絶対値の累計距離)
=+0.001i →yメモリーに入れます。
「何のため念のため検算」を行います。つまり、
修正前のD+30.490x+23.030y=既知のD

修正後のB=修正前のB+10.800x+01.980y
修正後のC=修正前のC+13.440x+12.710y





Pの座標値の計算【例題1・2・3】共通
P=修正後のC+9.700∠(arg(修正後のB-修正後のC)+∠BCP)
修正後のB・修正後のC・∠BCPの値は例題1・2・3それぞれ異なることに注意します。
この3個のデーターは、紙に書かれた数値を見ながら、手入力するしか方法が有りません。
もっとも簡単な方法としては、【例題1】の例では、
修正後のCの座標値
これを手入力で電卓画面に表示させたまま、
-562.719-859.719i =としておいて
P=ANS+9.700∠(arg(-560.083-848.985i -ANS)+24゜51′09″)
と計算します。【例題2】・【例題3】も同様です。下4桁が四捨五入し易い数値か確認しましょう。




【例題1】の答
*       x座標      y座標
B   -560.083  -848.985
C   -562.719  -859.719
P   -564.579  -850.199

【例題2】の答
*       x座標      y座標
B   -560.088  -848.978
C   -562.729  -859.705
P   -564.589  -850.185
なお、【例題2】においては、誤差の配分計算が、観測区間の距離の比においてきれいに按分できたとは言えないかもしれませんが、この問題は、作成上多くの制約が有りますので、これ以上うまく問題を作れませんでした。もっと誤差を多くすれば良かったのかもしれませんが、そのように作成するとあまりにも不自然な問題になってしまいますので…。

【例題3】の答
*       x座標      y座標
B   -560.095  -848.979
C   -562.737  -859.698
P   -564.597  -850.178

***************************************
 上級者以外、見てはいけない知ってはならない。
Pを求める際に、問題に与えられた∠BCPの角度の数値をそのまま使っていますが、これには誤差の修正をする必要は無いのかという疑問が有る方もいらっしゃるでしょう。
 マツヨシは必要無しと考えます。K→A→B→C→D→Lと多角測量をする中で、積み上げて計算された方向角と、既知の方向角との間に誤差が生じたので、角誤差の修正をするのでした。Pについては、これ以上角の積み上げ計算は有りません。もし仮に、C→P→Q→R→S
と続く多角測量がなされて、そのうちの既知の方向角との誤差が発生した場合は、∠BCPの数値も修正する場合が出てくるでしょう。(ただ、マツヨシには測量実務の経験が有りませんので、この点に確信が有るわけではありませんが…。)

[平均方向角について]
この問題は、包○学院の言う、「平均方向角」という概念を使ってPの座標値を計算しています。つまり、修正されたB・C点の座標値を使って方向角を算出し、これに基づいてPを計算するというものです。
 それでは、「平均方向角」を使わない場合はどうするのでしょう。
P=修正後のC+9.700∠(256゜10′27″-180°+2m+∠BCP)
のように計算したとマツヨシは記憶していますが、今になって手元に資料が有りません。誤差の配分問題が答練に出ても、角の補正が有るものがめったに出ませんので、大半の問題集を捨ててしまった今となっては、確認出来ません。しかし、これで計算しても、平均方向角で計算した座標値と、最大0.004ぐらいの誤差しかしか有りませんので、下2桁までで丸める問題でしたらそれほど神経質になることもないでしょう。とにかくこの辺の話は、問題の趣旨を良く読み取って、求点をしなければなりません。

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誤差の配分問題03 [誤差の配分問題]

 誤差の配分問題をあまり出していませんでした。その理由は、問題が長すぎて作成が大変だからです。しかし、そろそろそれも出しておかないといけません。
 昨年の本試験で、コンパス法が初めて(?)出ました。そこで、今年の本試験では、さらに発展して、トランシット法が出るかもしれません。そこで、トランシット法による誤差の配分に挑戦してみました。しかし、最初にお断りしておきますが、トランシット法による誤差の配分の具体例は測量のどの参考書をみても皆無です。本屋で立ち読みしても、インターネットで検索しても見つけきれません。しかも、その、配分の根拠となる式(公式)が、下のように二種類あります。

(以下、Yについても同様です。)
Xの補正量=X座標閉合差 ×┃ΔX┃/∑┃ΔX┃…(トランシットτ式)となるべきなのに

Xの補正量=X座標閉合差 ×┃ΔX┃/┃∑ΔX┃…(まちがいかもt式)となっている参考書も多く、マツヨシは大変困ってしまいました。

(トランシットτ式)は、理解できます。例えば、トラバース測量で、「ある地点から、東へ20m動いて基準点を作って測量し、また東へ30m動いて基準点を作って測量したところ、東西方向に5cmの誤差があった。」という場合、誤差を2cmと3cmに按分して、それぞれの測線に配分することとなります。(以下、Yについても同様に、南北方向の誤差について南北方向の変位量で按分します。)
 コンパス法と似ていますが、コンパス法は、
 ①Xの誤差もYの誤差も、基準点から次の基準点までの距離の長さにより比例案分する。
 というものでした。
しかし、トランシット法は、
 ①Xの誤差は、基準点から次の基準点までのXの変化量(どのくらい東西に動いたか)により比例案分する。
 ②Yの誤差は、基準点から次の基準点までのYの変化量(どのくらい南北に動いたか)により比例案分する。

 というものです。
 そこで、基準点P1→基準点P2→基準点P3と順次測量をおこなったとします。
 ここで、P1→P2間は東に50m移動して、P2→P3間は西に50m移動していたとしましょう。
 ええっ?「そんなばかな測量が有るか。すぐに元の地点に戻っているではないか。」とおっしゃるのですね。しかし、P1→P2→P3と南北には100mづつ(合計200m)移動していたとすれば、このような測量も有り得ないとは言えません。このような場合は、(まちがいかもt式)では、分母はゼロになって(50-50=0)計算出来ません。
 また、問題を変えて、P1→P2間は東に50.001m移動して、P2→P3間は西に50.000m移動していたとすれば、(まちがいかもt式)では、分母が0.001となって、誤差の配分が大変大きな数値となってしまうのです。
 (まちがいかもt式)は、インターネットで、検索しても沢山出てきます。マツヨシが勝手に推測するには、国の測量の手順規格か何かに、それが掲載されていて、皆さんそのまま転載しているだけなのかもしれません。あるいは、(まちがいかもt式)は、XやYの変化量を常に正の数値(絶対値)として計算するものなのかもしれません。
 そのような訳で、お手本とすべき具体例なし、公式は二種類あってなんともあやふや…となれば、この問題は作成しない方が無難と考える人が普通でしょう。そのせいか、(業界をリードする)包○学院でも、(奇問大好きの)リーゼント・ヘッド学院でも、トランシット法が出されたことは、マツヨシの記憶では有りません。
 しかし、本試験でいきなり出題されると、受験生は舞い上がってしまいます。そこで、トランシット法には、曖昧な部分があることをお断りしたうえで、ご紹介することとしました。もし、本試験で出題された場合は、問題の指示を良く読んでその意向に沿った形で計算してください。ひょっとすると、マツヨシの紹介した方法とかなり異なる誤差配分になるかもしれません。

 なお、上級者の方、この節の【例題1】の解答の内容が、間違っている時は、読者の皆様が困惑しますので、ご指摘をお願いします。




【例題1】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、次の表1のとおりとなった。既知データー1に基づいて角の補正を行い、座標の閉合差をトランシット法によって調整し、P2、P3、P4の座標値を求めよ。(閉合差の制限は考慮しない。)また、座標値は下4桁を四捨五入して、下3桁まで求めるものとする。観測角はすべて右回りの角である。

表1
器械 後視
点  点  測点   観測角    距離
P1  P0  P2  202゜45′43″ 30.800
P2  P1  P3  *56゜45′30″ 30.900
P3  P2  P4  199゜03′59″ 48.200
P4  P3  P5  *83゜15′24″ *9.900
P5  P4  P6  191゜54′28″ ***

既知データー1

P1→P0の方向角は、北を0゜として右回りに85゜42′39″…(ρ)
P5→P6の方向角は、北を0゜として右回りに99゜18′48″…(σ)

*       x座標      y座標
P1  -663.524、-457.082
P5  -731.234、-472.096


図1
*P2    P1         P0




*  P3




*P4    P5         P6



《解答》

 模式的に描いてみると下図のような関係にあります。

図2
P0
┃  ↑既知方向角
P1(既知点)

P2

P3

P4

P5(既知点)
┃  ↓既知方向角
P6

 そして、表1に加筆します。

表1(加筆有り)
*器械 後視                 修正前の 角の X座標値 Y座標値
*点  点  測点   観測角   距離   方向角  補正  の補正  の補正
P1a P0n P2b 202゜45′43″ 30.800 288゜28′22″+1f *9.744x 29.218y
P2b P1a P3c *56゜45′30″ 30.900 165゜13′52″+2f 39.615x 37.126 y
P3c P2b P4d 199゜03′59″ 48.200 184゜17′51″+3f 87.685x 40.663 y
P4d P3c P5e *83゜15′24″ *9.900 *87゜33′15″+4f 88.128x 50.553 y
P5e P4d P6n 191゜54′28″ *** *99゜27′43″+5f **** ****

a・b・c・d・eは、メモリー名。
「n」、「*」、「*」は、表を揃える為のもので、空白と一緒です。無視してください。


図1を参考にして、試験の時、表1の右側に運よくスペースがあったら、下の「表1(加筆有り)」のように、右側に方向角の数値や、補正の文字を入れて行きます。スペースが無かったら、最近の本試験では計算紙を貰えるようですから、それをその部分に当てて使いましょう。また、測点P2~P5の座標値をどのメモリーに入れるか、あらかじめ予定を立てておき、そのメモリー名をT2~T4の横に(実際書くときはすごく小さく)書きます。
なお、メモリー名は、見取図に入れるのが普通ですが、トラバース測量の観測結果の表が有る時は、図面より、表に書いた方が解り易いでしょう。ただし、表に書き入れるならば、見取図の方には書き入れない方が良いでしょう。

 電卓のFixモードの設定は、「SHIFT」→「MODE」→「6:Fix」→「3」キーを押しておきます。

 P1→P0の方向角(ρ)を元に、P2→P1、P3→P2、…等の修正前の方向角を順に求め表の横に書いていきます。

修正前のP5→P6の方向角と(σ)との誤差を求めます。
99゜27′43″-99゜18′48″(σ)=0゜08′55″
の誤差を得ますが、この数値を紙に書いたりしないで、
×-1÷5=-0゜01′47″
としてこれを紙に書かず、fメモリーに入れます。(角度の誤差の配分にはトランシット法などは有りません。均等に配分するのみです。)
「何のため念のため検算」を行います。
 99゜27′43″+5f=99゜18′48″(σ)
 ここで、すぐに座標値の計算に入りたいところですが、一旦、方向角すべてを検算します。

 それが済んだら次に、P2の座標値の計算に入ります。
 まず、P1の座標値は、問題に与えられているので、その座標値をaメモリーに入れます。(P5の座標値も問題に与えられていますが、これをeメモリーに入れたりはしません。)メモリー節約のため、P1の座標値をメモリーに入れないで、その都度、生(なま)数値で入力する方法もありますが、ここではメモリーを利用することとします。

P2=a+30.800∠(288゜28′22″+1f)…(P2式)
=-653.780-486.300i(角の補正済み、座標値の補正前)
この計算結果において、下4桁目が四捨五入し易い数値かどうかを確認します。OKだったら、Rnd(ANS)として下3桁に丸め、bに入れます。

 次に、P3の座標値の計算に入ります。
P3=b+30.900∠(165゜13′52″+2f)…(P3式)
=-683.651-478.392i(角の補正済み、座標値の補正前)
 同様の過程を経て、cに入れます。

 以下、P4の座標値はdに、P5の座標値はeに入れます。
P4=c+48.200∠(184゜17′51″+3f)…(P4式)
-731.721-481.929i(角の補正済み、座標値の補正前)

P5=d+9.900∠(87゜33′15″+4f)…(P5式)
-731.278-472.039i(角の補正済み、座標値の補正前)
「座標値の補正前のP5の座標値」-「真のP5の座標値」=座標値の誤差ですから、
e-(-731.234、-472.096)
=-0.044+0.057i…(η)
これを一旦紙に書いておきます。P2~P5について、それぞれ「電卓内部検算」(計算結果とメモリーとの引き算で確認する)を行います。(η)も検算します。

 ここで、誤差の按分計算をする元になる、X・Y座標値の変化量を調べます。
P2=a+30.800∠(288゜28′22″+1f)…(P2式)において
右辺の「a」を除いた部分
30.800∠(288゜28′22″+1f)
を電卓で計算します。
=+9.744-29.218i
となります。ここで、「アンス・コンジャ法」を使って、実部のみを取り出します。
+9.744となります。これを表に書き入れます。
これを、mメモリーに入れます。


****************************************
初心者のみのコーナー
「電卓の設定と基礎03」に書いたように、Conjaキーを利用して、実部のみあるいは虚部のみを取りだす方法が有ります。これを「アンス・コンジャ法」と呼ぶのでした。
 「アンス・コンジャ法」では、電卓画面に答えが出たらANS+Conja(ANS)=とし、÷2=とすれば、虚数部分は打ち消しあって、実部のみを電卓画面に得ることができます。また、ANS-Conja(ANS)=とし、÷2i=とすれば、実部は打ち消しあって、虚部のみを電卓画面に得ることができます。
****************************************



次に(P3式)で、右辺の「b」を除いた部分を計算して、実部を
-29.871と得ます。負の数ですからこれの絶対値Abs(ANS)として、
+29.871を得ます。これをmメモリーに累計します。
累計された答えを呼び出して、
+39.615を得ます。これを表に書き入れます。

次に(P4式)で、右辺の「c」を除いた部分を計算して、実部を
-48.070と得ます。負の数ですからこれの絶対値Abs(ANS)として、
+48.070を得ます。これをmメモリーに累計します。
累計された答えを呼び出して、
+87.685を得ます。これを表に書き入れます。

次に(P5式)で、右辺の「c」を除いた部分を計算して、実部を
+0.443を得ます。
これをmメモリーに累計します。
累計された答えを呼び出して、
+88.128を得ます。これを表に書き入れます。


 Y座標についても、同様に(P2式)~(P5式)の右辺の一部を計算し、「アンス・コンジャ法」で、今度は虚部のみを取り出して、必要なら絶対値をとりながら累計し、表に書き入れます。


 さて、紙に書いていた座標値の誤差
=-0.044+0.057i …(η)
の実部のみを-1倍した+0.044を電卓に手で入力し、
+0.044÷88.128(X座標値の補正欄の一番下の数値)
とすると電卓画面上は数値が小さいので、
=0.000
となっていますがこれを、xメモリーに入れます。

 Y座標値についても同様に
 さて、紙に書いていた座標値の誤差
=-0.044+0.057i …(η)
の虚部のみを-1倍した-0.057i(iを落とさないこと)を電卓に手で入力し、
-0.057i÷50.553(Y座標値の補正欄の一番下の数値)
とすると電卓画面上は数値が小さいので、
=-0.001i
となっていますがこれを、yメモリーに入れます。

 これら、X座標値の補正欄・Y座標値の補正欄の穴埋め計算について、検算をします。

 検算後、x・yの値を「何のため念のため検算」で検算します。
e「誤差のあるP5の座標値」+88.128x+50.553y
=「真のP5の座標値」となって、検算出来ました。
下4桁以下が、0になっていることを確認しておきましょう。


 さて、やっとすべての補正を終えたP2~P5の座標値を求めることとします。

P2=b+Rnd(9.744X+29.218y)
P3=c+Rnd(39.615X+37.126y)
P4=d+Rnd(87.685X+40.663y)
となって、
P2=-653.775-486.333i(角の補正済み、座標値の補正後)
P3=-683.631-478.434i(角の補正済み、座標値の補正後)
P4=-731.677-481.975i(角の補正済み、座標値の補正後)
を得ます。


*       x座標      y座標
P2**-653.775、-486.333
P3**-683.631、-478.434
P4**-731.677、-481.975




 いやー長かったですね。苦しかったですね。ところで、コンパス法の問題も復習したいものです。でも、問題をもうひとつ作るのは大変ですから、手抜きで、【例題1】をコンパス法で補正したらどうなるかという問題を作ってみました。
 しかし、トランシット法とコンパス法は、誤差の按分の仕方が違うので、トランシット法では、誤差が切り良く按分出来る問題でも、コンパス法では、四捨五入しにくい微妙な誤差が累積して、受験生の計算の仕方によっては、いろいろな答えが出てしまいます。また、逆にコンパス法では切りが良くても、トランシット法では、よろしくない場合が多く、まさにあちらを立てればこちらが立たずという状態でした。
 そこで、【例題1】のP5の座標値を少し変更して【例題2】とし、これをコンパス法で誤差の配分をする問題を作成しました。これならば手抜きですが、コンパス法の勉強も出来るというわけです。






【例題2】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、【例題1】と同じ結果を得た。ただし、P5の座標値だけは、下の数値が正しいことが判明した。他の数値は全く同じである。
角の補正を行い、座標の閉合差をコンパス法によって調整し、P2、P3、P4の座標値を求めよ。(閉合差の制限は考慮しない。)また、座標値は下4桁を四捨五入して、下3桁まで求めるものとする。観測角はすべて右回りの角である。

 *       x座標      y座標
P5  -731.254、-472.051


《回答》
下の表の空欄を埋めます。
座標値の補正欄には、累計距離を入れます。

表1(加筆有り)
*器械 後視                 修正前の 角の  座標値
*点  点  測点   観測角   距離   方向角  補正  の補正
P1a P0n P2b 202゜45′43″ 30.800 288゜28′22″+1f *30.800y
P2b P1a P3c *56゜45′30″ 30.900 165゜13′52″+2f *61.700y
P3c P2b P4d 199゜03′59″ 48.200 184゜17′51″+3f 109.900y
P4d P3c P5e *83゜15′24″ *9.900 *87゜33′15″+4f 119.800y
P5e P4d P6n 191゜54′28″ *** *99゜27′43″+5f ****



「誤差のあるP5の座標値」-「真のP5の座標値」=座標値の誤差ですから、
e-(-731.254-472.051i )
=-0.024+0.012i 
これを紙に書いたりせずに、-1を掛けてそのまま距離の合計で割り、
×-1÷119.800=
(=0.000-0.000i のようにゼロが電卓画面に表示されますが、実際は微小な数値が入力されています。)-1を掛けるのは、誤差を配分するときに、足し算で配分するのが楽だからです。
結果をyメモリーに入れます。
 yの値を「何のため念のため検算」で検算します。
e「誤差のあるP5の座標値」+119.800y
=「真のT5の座標値」
下4桁以下が、0になっていることを確認しておきましょう。


P2=b+Rnd(30.800y)
P3=c+Rnd(61.700y)
P4=d+Rnd(109.900y)
となって、
P2=-653.774-486.303i(角の補正済み、座標値の補正後)
P3=-683.639-478.398i(角の補正済み、座標値の補正後)
P4=-731.699-481.940i(角の補正済み、座標値の補正後)
を得ます。


*       x座標      y座標
P2**-653.774-486.303
P3**-683.639-478.398
P4**-731.699-481.940

 いやー皆さんもこの問題を解くのは大変でしょう。



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誤差の配分問題02 [誤差の配分問題]

この節は、「誤差の配分問題01」の【例題1】の続きです。問題の条件は全く同じです。
 条件が同じというのは、T0~T6までの全ての条件・観測結果が全く同じという意味です。

【例題2】
トラバース測量(多角測量)を行い、表2の結果を得た。表2は、【例題1】の表1に、P1・P2・P3の観測結果(@行)を加えただけのものである。【例題1】において、コンパス法によって誤差を調整されたT2・T3・T4の座標値をそのまま使用して、P1・P2・P3の座標値を求めよ。ただし、T3→T2の方向角、およびT4→T3の方向角については、コンパス法によって誤差を調整されたT2・T3・T4の座標値を使用して平均方向角を算出し、これに基づいて計算すること。座標値の端数処理は下4桁を四捨五入して下3桁までとする。またP1・P2・P3で囲まれる実測面積を求めよ。ただし、計算値の端数処理は登記の申請書に記載する場合の表示方法によるものとする。当該土地の現況は、山林である。観測角はすべて右回りの角である。

表2
*器械 後視
*点  点  測点  観測角    距離
*T1  T0  T2  162゜09′23″ 23.149
*T2  T1  T3  189゜22′52″ 11.593
*T3  T2  T4  213゜56′11″ 45.943
@T3  T2  P1  304゜39′23″ 23.824
@T3  T2  P2  243゚14′07″ 07.219
*T4  T3  T5  175゜45′45″ 11.415
@T4  T3  P3  314゚05′05″ 29.853
*T5  T4  T6  226゜32′39″ ***

既知データー1:###################
T1→T0の方向角は、北を0゜として右回りに323゜15′51″…(ф)
T5→T6の方向角は、北を0゜として右回りに210゜58′31″…(я)

        x座標      y座標
T1  -235.143、-218.492
T5  -312.809、-179.296
###########################


図4
*   T2

*        T3
*P1
*       P2



*  P3

*                  T4


《解答》

 このブログでは、あまりに1つの節が長くなりすぎるのを避けるため、【例題1】と【例題2】に分けました。しかし、実際の試験では、これらは合体して、さらにもっと複雑になって出題されるのが普通です。表2を見て、トラバ-ス測量の枝の部分を取り払い、幹の部分が下の図1のようになっていると判断が出来なければいけません。そして、枝の部分の「観測角」や「距離」の欄には、鉛筆で斜線を網掛のように入れて見難くするのも一つのテクニックです。(勿論完全に消してはいけません。方向角や誤差の補正をするまでに役に立てば良いのです。)

図1
T0
┃  ↑既知方向角
T1(既知点)

T2

T3

T4

T5(既知点)
┃  ↓既知方向角
T6

 そして、表2に加筆します。

表2(加筆有り)メモリーは犬電卓   「犬」
*器械 後視                 修正前の 角の   座標値
*点  点  測点   観測角   距離   方向角  補正   の補正
*T1n T0n T2a 162゜09′23″ 23.149 125゜25′14″+1x +23.149y
*T2a T1n T3b 189゜22′52″ 11.593 134゜48′06″+2x +34.742y
*T3b T2a T4c 213゜56′11″ 45.943 168゜44′17″+3x +80.685y
@T3n T2n P1n 304゜39′23″ 23.824
@T3n T2n P2n 243゚14′07″ 07.219
*T4c T3b T5d 175゜45′45″ 11.415 164゜30′02″+4x +92.100y
@T4n T3n P3n 314゚05′05″ 29.853
*T5d T4c T6n 226゜32′39″ *** 211゜02′41″+5x *****

a・b・c・d→「かり(仮)」
「n」は、表を揃える為のもので、空白と一緒です。無視してください。

問題を解くに当たって、補正後のT2・T3・T4の座標値をメモリーに入れる必要が有ります。補正前の座標値が入っているa・b・cのメモリーをつぶして、補正後の数値に変えてしまう方法が簡単で、速くもあります。しかし、P1・P2・P3の座標値が出れば、もう求積して、地積測量図を作成するだけですから、メモリーを節約する必要も無いし、補正前のデーターを消してしまうのも忍びないので、同じ電卓をもう一台持っているなら、もう一台の電卓に入れることとします。
今まで【例題1】に使っていた電卓を「犬電卓」と名付け、使っていなかった電卓を「猫電卓」と名付けます。読者のみなさんも関数電卓が二台あるなら、名前を付けましょう。ただし、「甲・乙」とか「A・B」、「あ・い」、「①・②」とかは、問題の中で使いそうな記号ですから良くありません。「薔薇・菊」では、イメージが近すぎます。そこで、マツヨシは、犬と猫にしたのです。皆さんも、良い名前を付けてください。また、それにふさわしいシールか何かを貼りましょう。

 ここで、ちょっと余計な解説を…。補正前の座標値が入っているa・b・cのメモリーをつぶして、補正後の数値に変えてしまう方法は、急ぎの時や、メモリーが不足しそうな時は、大いにやってください。ただし、次のような危険性がありますので、その点十分注意してください。例えば、補正前の座標値が入っているaメモリーを使って、補正後の座標値を計算し、それをaメモリーに入れ、さらに同様にbメモリーに入れたころ、何かの拍子に他の事に気を取られ「あれ、どこまで入れたっけ。bは済んだよな?いや今からbだったかな?」とか、「今、確かにbメモリーに入ったのかな、キーの押し方が弱かったのでは?」とか、疑念が出てくる時が有ります。ところが、補正前のデーターと補正後のデーターは、ほんの少ししか違いが有りません。また、補正前のa・b・cのデーターを紙に書いてませんので、調べようがありません。下手をすると、ずいぶん前に遡って遣り直しとなってしまうのです。
 「そんな馬鹿な。」と思っているあなた、あなたが陥りそうですよ。「それは有り得る。」とおもっているあなたは、意外とそうはならないものです。試験の興奮と緊張の中、思考回路が異常に疑り深くなってしまうことも有るのです。
 このようなことの無いよう、a・b・c補正後の数値に入れ替えるときは、一気に行い、キーはゆっくりしっかりと操作することを、念頭に置かなければなりません。



【例題1】の解答より、
コンパス法による座標値の補正後のT2
=-248.565-199.616i 紙に書かれたこの生(なま)数値をそのまま「猫電卓」に打ち込み、aメモリーに入れます。

コンパス法による座標値の補正後のT3
=-256.735-191.382i これを「猫電卓」のbメモリーに入れます。

コンパス法による座標値の補正後のT4
=-301.807-182.361i これを「猫電卓」のcメモリーに入れます。

見取図のT2・T3・T4の傍に、各a・b・cを書き入れます。見取図のどこかに、「猫電卓」意味する「ネ」という文字を入れておきます。また、これらの数値は、補正後の数値であることから、真の数値の意味で「しん」という言葉を入れておきます。
一方、「犬電卓」のメモリーにあるa・b・c・dは、補正前の数値でしたから、仮の数値の意味で表2(加筆有り)のどこかに「かり」という文言を入れておけばベターです。
ところで、急ぐ時は平仮名に限りますぜ。試験中に問題用紙に書き込む文言は、平仮名に限ります。調査士名が出てきたら「ちょう」ですし…。建物の構造が出てきたら「こう」ですし…。


図4(加筆有)メモリーは猫電卓    「ネ」
*   T2(a)

*        T3(b)
*P1(x)
*       P2(y)



*  P3(m)

*                  T4(c)
a・b・c→「しん(真)」

abcの各メモリーに入れた時、再度呼び出して確認します。
次に、[P1・P2・P3の座標値の計算]に行きますが、その前にちょっと解説。



 実際の試験の時は、【例題1】と【例題2】は分かれているはずがありませんので、続けてする場合のコツをここで、解説しましょう。
【例題1】の最後は、均等法の計算でしたので、「犬電卓」のyメモリーには、全体の座標値の誤差
-0.040+0.032i 
を4で割ったものが入っていました。つまり、
 そこでもう一度再現して、
(-0.040+0.032i )÷4=
として「犬電卓」のyメモリーに入れてみてください。
 実際の試験であれば、この状態から次の計算を始めることとなりますが、この場合は、4倍して距離の累計で割って、
4y÷92.100=
コンパス法における1メートルあたりの座標値の誤差を出し、これを「犬電卓」のyメモリーに入れます。
「何のため念のため検算」を行います。
d「誤差のあるT5の座標値」+92.100y
=-312.809-179.296i 「真のT5の座標値」
これが確認出来たら、

コンパス法による座標値の補正後のT2
=a+23.149y
=-248.565-199.616i これを、「犬電卓」の画面に表示したまま、「猫電卓」のメモリーaに手で入力します。二台の電卓を表示させたまま並べて確認します。

図5 電卓を二台並べると入力ミスが解り易い。下は電卓画面のつもり。

   犬電卓         猫電卓
*-248.565   -248.565
-199.616i  -199.616i

⑦⑧⑨ Del AC ⑦⑧⑨ Del AC
④⑤⑥ ×  ÷ ④⑤⑥ ×  ÷
①②③ +  - ①②③ +  -
0・⑩ Ans =   0・⑩ Ans  =

コンパス法による座標値の補正後のT3についても同様
=b+34.742y
=-256.735-191.382i 「猫電卓」のメモリーbに入れます。
コンパス法による座標値の補正後のT4についても同様
=c+80.685y
=-301.807-182.361i 「猫電卓」のメモリーcに入れます。



[P1・P2・P3の座標値の計算]
以下、「猫電卓」のみを使います。
P1の座標値
=b+23.824∠(arg(a-b)+304゜39′23″)
=-261.104-214.802i 
この計算結果が下4桁目が四捨五入し易い数値かどうかを確認します。
OKだったら、下4桁目以下を丸めてxメモリーに入れます。駄目だったら、今までの計算内容を再検討し、十分に検算します。

 しかし、読者の皆様は、ここで疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
「確かに、arg(a-b)は複素数bからaに向かう方向角を表している。この方向角から右回り304゜39′23″回転したのなら、単に足し算になりそうであるが、図面も描かず、いきなり表2(加筆有り)からこのような式を作って良いものなのか?」という疑問です。問題集によっては、このような場合、一々図面を描いて、
360゜-304゜39′23″
=55゜20′37″ですから
左回りに55゜20′37″の方向に…などと丁寧に解説しているものも有ります。
 しかし、「観測角はすべて右回り」を前提に計算してきた以上、今更考える考える余地などありません。「もしこれで、答えが違っているなら、問題か答えの作成ミスだ。」と勇気をもって機械的に計算しましょう。


以下同様に
P2の座標値
=b+07.219∠(arg(a-b)+243゜14′07″)
=-263.600-193.614i これを下4桁目以下を丸めてyメモリーに入れます。

P3の座標値
=c+29.853∠(arg(b-c)+314゜05′05″)
=-285.650-207.464i これを下4桁目以下を丸めてmメモリーに入れます。

 ここで、座標値の補正後のP1・P2・P3座標値(つまりxymの値)の検算をします。
 検算するときは、「電卓内部検算」を行います。例えば、P1を再度計算して、その丸める前の数値を電卓画面に表示させ、そこからxを引いて、電卓画面が
0.000-0.000i 
と表示されたら、下4桁以下が四捨五入に適する数値かも確認します。このように、紙に書かないで、電卓内部で検算するのが時間節約になります。
なお、P1の式を電卓画面に表示してそのままさらに続けて-xとするのも(b+23.824∠(arg(a-b)+304゜39′23″)-x=とする)良い方法ですが、皆様の好みで…。

 さて、P1・P2・P3座標値が出ましたので、面積を計算します。
「必勝方式」による三角形の面積
=Abs[Im{0.5×Conja(左上-下)×(右上-下)}]…(式♂)
となるのでしたね。
三角形P1・P2・P3
=Abs[Im{0.5×Conja(P1-P3)×(P2-P3)}]
=Abs[Im{0.5×Conja(x-m)×(y-m)}]
=250.882500㎡
地目が山林なので

250㎡(誰ですか250.88㎡ってした人は)


****************************************
以下、上級者以外見てはならない知ってはいけない。
[平均方向角について]
平均方向角という言葉が出てきたのは、平成19年度の「包○学院」の答練あたりからでしょうか。平成18年度は途中から参加しましたが、そのような概念は無かったと記憶しています。マツヨシは、平成4年に測量士補試験に合格し、平成5年に測量士試験に合格しています。(補という漢字が無いことに注目してね。)しかし、恥ずかしながら、平均方向角という言葉を知りませんでした。
「包○学院」は、以来、「平均方向角」一本槍で行ってます。

 これはどのような、考え方かを説明します。
仮に、T1、T2、…と多角測量を行った後、角度の誤差、座標値の誤差も済んだと仮定します。補正前の座標値を仮T1、仮T2、…と表し、補正後の座標値を真T1、真T2、…と表します。また、T1←T2の補正前の方向角を仮θ21、…とし、補正後の方向角を真θ21、…とします。ここで、器械点T2、後視点T1、側点A、観測角α、距離Lとすると、Aの座標値は、電卓上はA=真T2+L∠(真θ21+α)で求められます。
 数学的に書きますと、
A=真T2+L{COS(真θ21+α)+i SIN(真θ21+α)}
となります。これが、従来の計算法です。
 この計算では、T1←T2の補正後の方向角を真θ21と考えています。ところが、角の補正の後にT1、T2、…の座標値が補正されたことから、新しい座標値である真T1、真T2で計算してみると、微妙に方向角が違ってくる場合が有ります。そこで、真T1←真T2の方向角を計算で求め、その角に+α(=観測角)として計算するべきであるとの主張がなされているのです。つまり、電卓上
A=真T2+L∠(arg(真T1-真T2)+α)
であると…。
しかし、実際、測量の実務ではどうなのか、マツヨシにはさっぱり解りません、と言いますのは、マツヨシは全く測量の実務経験が無いからです。(実務経験も無いのに良く合格出来たものですわ。)このあたりの実務について、詳しい方お教えください。

では、旧来の方法(平均方向角を使わない方法)では、この問題のP1はどうなっていたでしょうか。
P1
=真のT3(猫b)
+23.824∠(134゜48′06″+2×角の補正値(犬のx)-180゜+304゜39′23″)
ここで、(3×角の補正値としそうですが)2×角の補正値であることに注意します。
T3→T4の観測をするときに、さらに誤差が出て、3×角の補正値と補正することとなるのですが、T3→P1の段階では、2×角の補正値で補正します。
=真のT3(猫b)+23.824∠259゜25′49″
=-261.105-214.802i 
となり、(平均方向角を使った方法と)その差+0.001しか有りません。


平成20年度の「リーゼント・ヘッド学院」では、この問題はどうだったでしょう。
直前ファイナル答練第3回において、「平均方向角」という言葉は使わないものの、問題に次のような記載が有ります。
……(A・Bを求点するにあたって)ここで使用する『102』からT1への方向角は、T1の最終結果の座標値から再度計算し直す必要がある。{本問(←リーゼント・ヘッド学院の問題)では、問1で求めた調整方向角と変わらないが、問題によっては変わる場合もある。}……。

 平成20年度の「汗多学院」においては、どうだったでしょう。
〈通信・代ゼミ〉第7回においては、コンパス法による誤差の配分計算はあるものの、補正後のK1を使ってA・Bを求点するにあたって、K1→A・K1→Bの正しい方向角が既に与えられているので、「平均方向角」を論じる余地が有りません。
〈通信・代ゼミ〉第12回においては、「平均方向角」という言葉は使わないものの、「補正後の点K1、K2から求めた筆界点Dの座標値を求めなさい。」という表現が見られます。但し、この問題には、観測角等の他の条件が記載されていないので、自然に「平均方向角」を求めざるを得ません。
さらに、「汗多学院」の第1回公開模試においては、均等法による誤差の調整をしてT1を求め、T1と既知点「102」との方向角については、普通に角の補正を済ませて求め、この方向角を使ってDを求点しています。この時も、「平均方向角」という言葉は使わず、その概念にも触れなかったものの、たまたま「平均方向角」を使っても同じ方向角になるように、問題が巧妙に作成されていました。

 「肉研学院」については、マツヨシが平成19年度までしか受けていないので、20年度のことは良く解りませんが、平成19年度まで、一度も「平均方向角」という言葉は出てきたこともないし、全て旧来の方法で計算していたように記憶しています。
****************************************



 ああ、やっと「誤差の配分問題02」が終わりました。はっきり言って、きつかったです。数値は多いし、アドバイスも心理的なものまで書きましたので…。


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誤差の配分問題01 [誤差の配分問題]

 トラバース測量において、測量の誤差を配分する問題というのが有ります。本試験でもここ数年何回か出題されています。これが受験生を悩ます大きな問題でして、何としても、これを攻略しなければなりません。
 この節では、問題の解説が多いので、求点や求積まで至らず、典型的な誤差の配分問題に絞って解説します。
 通常、誤差というものはあまり沢山あってはなりません。50センチも誤差があったら、測量は遣り直しとなるでしょう。そこで、本試験では、2センチぐらいの誤差を配分する問題が多いのです。しかし、座標値の最小単位が1センチですから、誤差の2センチをどう配分するかというのは、かえって問題の本質が解りにくくなってしまいますし、距離で案分するのも難しくなってしまいます。そこで、答練には、座標値を下3桁までとして、ミリ単位の調整が出来るようにしたうえで、誤差の比例案分を解りやすくした問題も多く見られます。今回は、これに習って、下3桁としますので、Fixモードの設定は、「SHIFT」→「MODE」→「6:Fix」→「3」キーを押しておきます。
 また、誤差は多目に出るようにしていますので、あしからず。

【例題1】
トラバース測量(多角測量)を行った結果、次の表1のとおりとなった。既知データー1に基づいて角の補正を行い、座標の閉合差をコンパス法によって調整し、T2、T3、T4の座標値を求めよ。また、これとは別の問題であるが、均等法でもT2、T3、T4の座標値を求めよ。(どちらも、閉合差の制限は考慮しない。)また、座標値は下4桁を四捨五入して、下3桁まで求めるものとする。観測角はすべて右回りの角である。

表1
器械 後視
点  点  測点  観測角    距離
T1  T0  T2  162゜09′23″ 23.149
T2  T1  T3  189゜22′52″ 11.593
T3  T2  T4  213゜56′11″ 45.943
T4  T3  T5  175゜45′45″ 11.415
T5  T4  T6  226゜32′39″ ***

既知データー1:###################
T1→T0の方向角は、北を0゜として右回りに323゜15′51″…(ф)
T5→T6の方向角は、北を0゜として右回りに210゜58′31″…(я)

        x座標      y座標
T1  -235.143、-218.492
T5  -312.809、-179.296
###########################



《解答》
 さてこれは、数値がたくさんあって、電卓をいじっているうちに何が何だかわからなくなってしまうことの多い問題です。方針を決めて、強い意志で計算をしていかなければいけません。
 トラバース測量は、例えば、既知点A点からBへ、B点からC点へと測量を繰り返します。そして、既知点G点に至ったとすると、それはA点からG点への一本の道であり、木で言えば幹に相当するものです。途中でC点からQ点やR点に至る測量をしたとしても、C点やQ点が既知点でなければ、それらは、枝に過ぎません。そこを踏まえて、図1のような略図を描きます。(記号と線のみで描きます。文言は必要ありません。)

図1
T0
┃  ↑既知方向角
T1(既知点)

T2

T3

T4

T5(既知点)
┃  ↓既知方向角
T6

この問題では、ほとんど道が真っすぐですが、問題によっては、実際図2のようにグネグネと曲がることもあります。しかしこのときも、図1のように真っすぐに描いてください。その方が、機械的に計算し易いイメージになります。

図2
*        T5━━T6
*        ┃
*T0━T1   T4
*    ┃   ┃
*    T2━━T3

 なお、図3のように、枝分かれした先にも(座標値の知れた)既知点があるとすると、誤差の配分は格段に難しくなって、マツヨシでもどうすれば良いのか解らないほどです。(この方面についての測量誤差の参考書を見つけきれません。)
 本問題は、単なる一本道ですので、簡単です。

図3
既知点1

T2

T3━━T1━━既知点3

T4

既知点2

図1を参考にして、試験の時、表1の右側に運よくスペースがあったら、下の「表1(加筆有り)」のように、右側に方向角の数値や、補正の文字を入れて行きます。スペースが無かったら、最近の本試験では計算紙を貰えるようですから、それをその部分に当てて使いましょう。また、測点T2~T4の座標値をどのメモリーに入れるか、あらかじめ予定を立てておき、そのメモリー名をT2~T4の横に(実際書くときはすごく小さく)書きます。
なお、メモリー名は、見取図に入れるのが普通ですが、トラバース測量の観測結果の表が有る時は、図面より、表に書いた方が解り易いでしょう。ただし、表に書き入れるならば、見取図の方には書き入れない方が良いでしょう。

表1(加筆有り)
器械 後視                 修正前の 角の   座標値
点  点  測点   観測角   距離   方向角  補正   の補正
T1n T0n T2a 162゜09′23″ 23.149 125゜25′14″+1x +23.149y +1y
T2a T1n T3b 189゜22′52″ 11.593 134゜48′06″+2x +34.742y +2y
T3b T2a T4c 213゜56′11″ 45.943 168゜44′17″+3x +80.685y +3y
T4c T3b T5d 175゜45′45″ 11.415 164゜30′02″+4x +92.100y +4y
T5d T4c T6n 226゜32′39″ *** 211゜02′41″+5x *****

「修正前の方向角」「角の補正」「座標値の補正」などという言葉は、解説のために入れただけで、試験のときは自分が解っていればそれで十分です。また、実際に書く時は、「゜ ′ ″」の記号を省略し、その代わりにスペースを開けます。さらに、211゜2′41″のような角は、211 02 41のように、二桁目の0も省略しないで書きましょう。
 なお、メモリー名は、abcdefmxy(電卓上では大文字であるがこ、のブログでは区別のため敢えて小文字で書いている。)しか有りませんが、この表には、「n」という表示が有ります。これは、メモリーに入れる必要がない場合、メモリー名を書くべき部分をスペースにすると、マツヨシのパソコンからブログに複写した時に、ズレが生じて見難くなるので、メモリーに入れず何もしない座標値を「n」で表示しているだけです。勿論皆さんが実際計算するときは、このような表示をする必要は有りません。
 ところで、問題を解く最初の段階で、どの数値をどのメモリーに入れるかを決めておくことは、とても重要です。思いつくままに、メモリーに入れていくと肝心のところで、メモリーが不足して、難渋したり、メモリー名の順序がバラバラになって解りにくく、間違いの元となります。

 最初に、「座標値の補正」欄を、書き入れます。+23.149yとか+34.742yとか書いてあるのは、コンパス法による誤差の配分方針を示していて、数値は累積の距離です。T1→T2の距離23.149で、T2→T3の距離11.593ですから、最初の数値は+23.149yで、次は23.149+11.593を計算して+34.742yとしています。お尻に「y」が付いているのは、1メートルあたりの配分誤差を掛けるつもりだからです。表の最後に、+1yとか+2yとか書いてあるのは、均等法で計算するときの誤差の配分方針です。

 方向角の欄の求め方を解説します。T1→T2の方向角は、T1→T0の方向角が問題の条件に出ていましたから
323゜15′51″(ф)+162゜09′23″-360゜=125゜25′14″
となります。
 T2→T3の方向角は、T2→T1の方向角を求め、それにT1を後視点とした時のT2→T3の観測角を加えて出します。以下同様です。
125゜25′14″-180゜+189゜22′52″=134゜48′06″
表の最後の行にT5→T6の方向角211゜02′41″が出ていますが、これは問題の条件(я)と一致しなければなりません。
そこで、
211゜02′41″-210゜58′31″(я)=0゜04′10″
の誤差を得ますが、この数値を紙に書いたりしないで、
÷5×-1=-0゜00′50″
としてこれを紙に書かず、xメモリーに入れます。(角度の誤差の配分にはコンパス法などは有りません。均等に配分するのみです。)この問題では、メモリーが十分に足りましたが、不足するときは、メモリーに入れず紙に書きます。ほとんどの問題は、角の誤差はきりの良い数値となっているので、その都度生の数値を入力しても、さほど問題はありません。ただし、座標値の誤差(ここではy)はなるべくメモリーに入れましょう。
 ここで、÷5×-1としましたが、-1というのは、角度の誤差を配分するときに、足し算で配分するのが楽だからです。
 さて、xメモリーに入れた誤差が正しいかどうか、さっそく確認します。
 211゜02′41″+5x=210゜58′31″(я)
 答えが一致したので、検算が出来ました。しかし、読者の皆さんは、「さっき5で割ったばかりだから、5倍して足せば一致するのは当たり前ではないか何のため検算するの?」と疑問に思われるでしょう。そう「何のため?」…「念のため。」です。この誤差を配分する前後でプラスとマイナスを間違えて、全然駄目になってしまうことが何と多いことでしょう。必ず本番でもこの検算をやってください。これを以下、「何のため念のため検算」と呼ぶことにしましょう。
「角の補正」欄には、+1x、+2x、…+5xなどと式が書いてありますが、これは、T2~T4の座標値を出す時に使う角の誤差の配分を表しています。「ここに、わざわざ書かなくても行数を数えれば解る。」とお考えのあなたは、まだまだ甘い、いや青いと言っても過言では有りませんぜ。実際の計算で慌てていると、ここを間違えるのですよ。また、+1x、+2x、…+5xなどと書くことによって、角の誤差の配分を何回すれば良いかがはっきりしますので、間違って÷5とすべきところを、÷4などとすることも無くなります。
 ここで、すぐに座標値の計算に入りたいところですが、我慢して、方向角すべてを検算します。

 それが済んだら次に、T2の座標値の計算に入ります。
以下の式の「+1x」の「1」部分は省略していいです。また、T1は生(なま)の数値-235.143-218.492i を入力します。
T1+23.149∠(125゜25′14″+1x)
=-248.555-199.624i 
この計算結果において、下4桁目が四捨五入し易い数値かどうかを確認します。今までの方針では、このように下の桁を確認する場合は、戻す時に解りやすいように、百倍または一万倍することと決めていましたが、この手の問題に限っては下3桁で設定していますので、千倍して確認します。(確認後すぐに0.001倍して元に戻します。)OKだったら、Rnd(ANS)として下3桁に丸め、aに入れます。

 ねえ、読者の皆様。皆様は、角の補正値が出たら、早速方向角を書き直していましたよね。二本線で消した人は、書くスペースが狭くて見難くなり、消しゴムで消した人は後から検算する時、「エーとどこまで訂正したっけ?」と解らなくなって、どんどん不安になっていきましたね。マツヨシが、ここでなかなか間違えなくなった理由は、ここなんですよ。
 コツは、紙に書いたものを書き直さないのですよ、その都度一々補正をするのですよ。これが解り易いんです。

 次に、T3の座標値の計算に入ります。
a+11.593∠(134゜48′06″+2x)
=-256.720-191.394i 
(平成21年5月8日まで、この部分を
a+34.742∠(134゜48′06″+2x)としておりました。式は誤植です。答えは合っていました。指摘してくれた「駆け出し受験生」さん有難うございます。)


 同様の過程を経て、bに入れます。
 以下、T4の座標値はcに、T5の座標値はdに入れます。
T4=-301.772-182.389i 
T5=-312.769-179.328i 
 ここで、注意しなければならないのは、T5の座標値は問題に与えられているので、このdメモリーに入れた座標値は、「誤差のあるT5の座標値」ということです。
「誤差のあるT5の座標値」-「真のT5の座標値」=座標値の誤差ですから、
d-(-312.809-179.296i )
=0.040-0.032i 
これを紙に書いたりせずに、-1を掛けてそのまま距離の合計で割り、
×-1÷92.100=
(=0.000-0.000i のようにゼロが電卓画面に表示されますが、実際は微小な数値が入力されています。)-1を掛けるのは、誤差を配分するときに、足し算で配分するのが楽だからです。
結果をyメモリーに入れます。
 yの値を「何のため念のため検算」で検算します。
d「誤差のあるT5の座標値」+92.100y
=-312.809-179.296i 「真のT5の座標値」
下4桁以下が、0になっていることを確認しておきましょう。

 だいぶ計算も進んできましたが、ここで、座標値の補正前のT2・T3・T4・T5の座標値(つまりabcdの値)の検算をします。
 T2を検算するときは、その丸める前の数値を電卓画面に表示させ、そこからaを引いて、電卓画面が
0.000-0.000i 
と表示されたら、下4桁以下が四捨五入に適する数値かも確認します。このようにして、検算は、紙に書いた数値と見比べたりしない方が良いのです。なにしろ問題用紙には、数値を書くスペースも少ないので、離れたところに書くと、それを探すのにまたまた貴重な時間を消費してしまうのです。(だだし、方向角の検算の時は、紙に書いた数値を見比べるしかありませんが…。)このような検算を以後「電卓内部検算」と呼ぶことにします。
 以下、同様にT3・T4・T5の座標値を検算します。

 さあ、いよいよT2・T3・T4の座標値を、コンパス法で補正計算します。
 まず、「座標値の補正」欄の1行目「+23.149y」の式を使って、


コンパス法による座標値の補正後のT2
=a+23.149y
=-248.565-199.616i を得ますので、これを紙に書きます。試験の時は、いきなり答案用紙にボールペンで書いても結構です。この計算結果が下4桁目が四捨五入し易い数値かどうかを確認します。OKだったら、次の計算へ進みますが、OKでなかったら、計算方針を再検討した上で十分に検算しましょう。

以下同様に

コンパス法による座標値の補正後のT3
=b+34.742y
=-256.735-191.382i これを紙に書きます。

以下同様に


コンパス法による座標値の補正後のT4
=c+80.685y
=-301.807-182.361i これを紙に書きます。

 上の、座標値の補正後のT2・T3・T4が、コンパス法による解答となります。

 これらT2・T3・T4の座標値の補正計算を、もう一度検算します。

 実際の試験の時は、座標値の補正後のT2の数値を検算後、紙に書いた数値と合っていたら、Rnd(ANS)として下3桁で丸め、これを次の発展する計算のために、改めてaに入力する場合もあります。以下同様に、補正後のT3をbに、補正後のT4をcに入力し直すこともあります。このように、a・b・cの数値を補正後の数値に変えてしまうと、もはや補正の検算は出来ないということになります。時間が余ることなどほとんど有りませんからこれでも良いのですが、補正後の数値が入っている旨を、表1(加筆有り)の中のa・b・cの文字のところから矢印か何かを引いて、補正後であることを示す何らかのマーク例えば「真」という文字とかを書いておく必要があるかもしれません。

 また、a・b・cの数値は補正前のままで、補正後の数値を別の電卓のa・b・cメモリーに入れるという場合も有ります。この場合は、メモリー不足に陥らないかが心配であり、かつ、どの電卓に入れたのかも明確に表示する必要があります。また、時間がかかるのも弱点です。

しかし、この問題では、先の計算を要求していないので、a・b・cの数値は補正前のままで、補正後の数値は紙に記録するだけにしておきます。


****************************************
 ここで、この解答の流れとは直接関係が無いのですが、この機会を借りて、重要な注意点を解説しますので、読んでください。この問題の回答内容では、角の補正値としてxメモリーを使用し、座標値の補正値としてyメモリーを使用しましたが、極力、補正値にmメモリーを使用してはいけません。何故かといいますと、23.149yとするところを、mメモリーならば、23.149mとすべきですが、そのときうっかりMキーを二回押してしまうと、計算結果がmメモリーの中に加算されてしまうのです。(元々mメモリーは合計を加算するためのメモリーです。)それを修正しようとしても、mメモリーの数値自体が変わってしまっているためどうにもなりません。最悪の時は、誤差の発生から遣り直すこととなります。ところが、他のabcdxyなどのメモリーは二回押しても何の変化も有りません。また、mメモリーは、座標値を入れるのに使用するのはあまり問題はありません。誤差を入れると、その値を何回も呼び出して掛け算をするので、その時に間違える可能性が高いのです。
****************************************


 次の均等法による座標値の補正を行います。
92.100y=とキーを押して
-0.040+0.032i を得ます。これを
÷4とすると
=-0.010+0.008i となり
これを改めてyメモリーに入れます。
ここでyについて、「何のため念のため検算」を行います。
d「誤差のあるT5の座標値」+4y
=-312.809-179.296i 「真のT5の座標値」
となり、確認できました。
下4桁以下が、0になっていることを確認しておきましょう。


****************************************
 ところで、均等法では、4で割りました。これは補正すべき辺が4辺だからです。しかし、角を配分するときは、5で割りましたので、ついつい間違えてしまいそうです。(問題も意地悪く、5でも割り易い数値となっています。)図1を良く見れば、観測した角は5回で、距離の測定は4回であることが解りますが、表1(加筆有り)を見ると、「角の補正」欄は、+5xまで有りますが、「座標値の補正」欄は、+4yまでしか有りませんので、そこからも自然に÷4が出てくるでしょう。なぜ、+4yまでしかないかと言いますと、表の一番下の行の「距離」の欄が空欄となっていて、T6の座標値まで求めることが出来ないため、「座標値の補正」欄も空欄となるしかないわけです。このように、「角の補正」欄や、「座標値の補正」欄を正しく書くことで、間違いを二重に防止することが出来ます。
****************************************


均等法による座標値の補正後のT2
=a+1y
=-248.565-199.616i これを紙に書きます。(偶然、解答がコンパス法と一致しましたが仕方ありません…。)この計算結果が下4桁目が四捨五入し易い数値かどうかを確認します。OKだったら、次の計算へ進みますが、OKでなかったら、十分に検算しましょう。


均等法による座標値の補正後のT3
=b+2y
=-256.740-191.378i これを紙に書きます。以下同様。


均等法による座標値の補正後のT4
=c+3y
=-301.802-182.365i これを紙に書きます。以下同様。
 必ずT2・T3・T4の補正の検算を1回行います。
 上の、座標値の補正後のT2・T3・T4が、均等法による回答となります。



****************************************
 ところで、均等法において、誤差(-0.010+0.008i )をこの問題のように4で割ったとき、きれいに割り切れず、
=-0.01049+0.00752i などとなった場合はどうしたら良いのでしょうか。この場合もマツヨシの方法では、下4桁以下の端数も含めてyメモリーに入れてしまいますし、補正の仕方も
T2については+1y(T1・T2間を1メートルと仮定している。)
T3については+2y(T1・T2・T3間を2メートルと仮定している。)
T4については+3y(T1・T2・T3・T4間を3メートルと仮定している。)
というように、計算しています。
コンパス法とは距離による比例案分するものですが、マツヨシは、均等法はその特殊な事例と考えました。つまり均等法とは、コンパス法において、測定距離が全て等しかった特殊な場合の計算と考えました。そこで、このように累積距離で計算すると、誤差が蓄積することがなく、うまく計算出来ます。が…、しかししかし、均等法なのに、誤差がきれいに割り切れない場合は、あなたの計算間違いの可能性が大です。何故かといいますと、割りきれない端数部分をどこにしわ寄せするかというのは、問題を解く人の好みでどうでもなることだから、答えがいろいろ出て来ることになります。それでは、採点する人が大変面倒だからです。
 コンパス法についても、累積距離を利用するのは、「代表的な方法のひとつ」に過ぎません。誤差を配分しようとした時、下4桁以下が、四捨五入し易いきりの良い数値であった場合は、どんな計算をしても答えは一つしかありません。しかし、下4桁以下に四捨五入しにくい大きい端数が有った場合、これらの端数の累積のしわ寄せをどこかに配分しなければなりませんが、その方法はいろいろあって、マツヨシの方法が最高で、他は駄目だとは言えませんのでお含み置きください。(ただ、この方法は速いことは確かですが。)
****************************************

 いやー読者の皆様もお疲れ様でした。この問題はデーターも多いし、説明も多く、苦労しましたぜ。
答練などでは、誤差の配分問題も、ときどきしか出ませんが、その都度解き方の方針も違いますので、受験生は困ってしまいます。マツヨシの計算方針は、この手の問題には全く同じ対応が出来ますので、緊張の中で役に立ちますよ。



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